エイズとの共存に関するバイオエシックスの視座
J1B129-0 原 英里花

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序章
 今日、エイズは人類にとって解決が急務となっている重要な課題であり、日本を含めた世界各地で、エイズそのものと、それに付随する様々な問題を克服するために、日々努力が重ねられている。
 私は、今年8月に横浜で開催された国際エイズ会議に参加して、この問題が我々の社会において、もはや避けることのできないものとなっていることを実感した。
 卒業論文では、特に、偏見・差別をどうなくすかに重点をおいた上で、エイズに関わる人々がおかれている状況を考慮しながら、エイズとの共存をバイオエシックスの視座から考えていく。
 方法としては、国際エイズ会議で得た資料をもとに、文献を中心としたかたちで進めていく。

第2章 国際エイズ会議について
 この章では、第10回国際エイズ会議とは、一体どのようなものであったのかを説明する。

第3章 エイズについて
 エイズの歴史と、その発症例、また、その感染源について調べていく。

第4章 世界とエイズ
 この章では、国際エイズ会議において報告された各国の現状を、特にアジアに重点を置いて調べる。

第5章 日本とエイズ
 日本における、エイズを取り巻く現状と、拠点病院やエイズホスピス構想について説明する。
 また、その打開策についても検討する。

第6章 女性とエイズ
 最近、爆発的にその感染者数を増やしている女性にスポットを当て、現在女性がどのような立場に置かれているのかを把握する。

第7章 医療従事者に対するサポート
 現在、エイズ患者の治療に関わる医療者の多くは、初めからエイズケアをやりたいと希望していたわけではなかったので、現在様々なジレンマに悩まされている。
 この章では、その実態を探り、医療従事者の本音に迫ってみる。

終章
 エイズが発見されてから、13年が経とうとしているが、現在のエイズ患者を取り巻く人々の意識は、徐々に変わってきていると思う。これからは、個人個人の価値観に基づいた社会的・医学的・心理的ニーズを、バイオエシックスの視座の中でも公正の視座から検討し、公共政策に反映させていかなければならない。
 そして、いつか、人間がエイズを撲滅できる日がやって来ることを私は信じている。


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