未来のバイオエシックス
J95B039-8 奥村航平

Japanese | English

[ 序論 ]

 未来の人間はどうなってしまうのだろうか。また、未来の世界はどうなってしまうのだろうか。
 本研究では、未来の世界についてバイオエシックスの視座から考察を行う。

[ 第一章 未来のバイオエシックスについて ]

 未来という不特定なものを取り扱う難しさの説明やバイオエシックスというあらゆる分野にまたがる超学際やこのテーマの基盤となる文献についての説明が述べてある。

[ 第二章 未来学について ]

 未来学の主な六つの学派や方法などを用いて、未来のシナリオを描いた。未来学とは未来の出来事を述べるのではなく、多種多様なシナリオを予測し、その中から望ましいビジョンを研ぎ澄ますことによって、新しい現実を人間にとって快適なものにすることである。

[ 第三章 生命創造というテクノロジー ]

 バイオテクノロジーなどは、細胞融合技術や遺伝子組替により、画期的な研究や実験ができるようになった。しかしその反面に、バイオハザードの恐怖がある。バイオハザードとは、研究に用いている微生物の管理や防護などに失敗し、そのために起こされる災害のことである。

[ 第四章 権利について ]

 権利とは、人間が社会という集合体のなかで必要不可欠なものである。しかし、この権利は目に見えないものであって、この力によって破られてしまう。自由論を著したミルもまた、この見えない権利を自由と権力の争いと表現している。また、弱肉強食からみえてくる創造された生命の権利はない。

[ 第五章 バイオエシックス的考察 ]

 暴走するテクノロジー開発や科学実験を食い止める為、またその全体的な動きを正しい方向に向かせる為には、ガイドラインを強化する必要がある。また、情報社会という利点を利用し、インターネットによる研究や実験などの報告を義務づければ、倫理や道徳を問わない研究や実験は生まれなくなるであろう。

[ 終章 まとめ ]

 テクノロジーや科学を突き動かしているものは、人間という根本的な性質である。それを規制することは、個性を侵害する恐れがある。しかし、人間の未来というものは人間の手によって方向付けられなくてはならない。テクノロジーや科学を野放しにはできない。これから少しずつ変えればよい。


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