■早稲田学報, 2000, 2・3, p. 49.
Prof. Rihito Kimura wearing a smile

最新の技術を駆使して、最新のいのちのテーマを研究・教育
木村利人人間科学部教授・専攻=バイオエシックス (生命倫理)、比較法学、人権論
(昭32法学・昭34法研)

研究室だより

 バイオエシックス (生命倫理) --- 聞き慣れない言葉だが、木村先生が研究を進めている最新のテーマだ。自然、社会、医療・健康などの中で、生命の始まる前から終わった後までのあらゆる問題に関することが、研究の領域となっている。例えば、臓器移植、遺伝子組み替え、体外受精、脳死、末期医療のあり方など、先端医科学・医療をめぐる技術的な応用の是非についての倫理の問題だけにとどまらず、社会の価値基準や宗教・文化に至るまで領域は広がっている。1987年、日本で初めて早稲田大学の人間科学部に開設された。
 今年度の木村ゼミでは、アメリカ・オハイオ州にあるケイス・ウェスタン・リザーブ大学 (CWRU) との共同ゼミを行っている。人権、宗教、環境問題などをテーマに、日米双方の学生が、メールのやりとりでゼミ討論を重ねた。時には、時差の関係もあり、徹夜で繰り広げられることもあるという。文化、宗教、価値観、法律の違いや対立点が明確になる。この結果をまとめた、世界初の学生による「比較文化バイオエシックス」のホームページを完成させ、広く公開し国際的に注目を浴びている。
 日本人には苦手意識のある英語を使いこなしての学生諸君の成長ぶりには、少なからず驚かされると先生は言う。現在の学生にとってコンピューターは、欠かすことができないコミュニケーション・ツールだ。キーボードをたたいて、「外国語で討論」する国際派の学生たちが、次々と誕生してきている。未来を支える旗手に成長していくことだろう。
 そして、先生は最新のテーマを、最新の技術を使った研究・教育により、これからも展開していくと、穏やかな笑顔で語っていた。 (あ)


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