バイオエシックス夏期特別ゼミ研修
(於ワシントンD.C.)から得たもの (6)

TLC訪問/講義と参観
interactive disabilityの問題とtruth telling、情報のshareの必要性
(Pavlin先生他)

 午後、私たちはTLC (the Treatment and Learning Centers) を参観しました。ここでも私たちは熱烈なる歓迎を受け、大変感動しました。
 このTLCはinteractive disabilityに対する問題解決を図り、treatmentや learningを実施していく施設ですが、そこで活動されておられる先生方やスタッフの方々の障害者に対する考え方には、全く目の覚めるような感銘を受けました。
 TLCでは「自由で適切な教育を障害者にも」という大前提のもとに、患者の家族たちの問題(Family support network)についても考え、truth tellingや情報をshareすることの必要性を強調されておられました。
 また何よりも、講義において、障害をもった子供をもつということは「イタリアに行くつもりがオランダに行ったようなもの」で、もし、このことを嘆いて過ごすならば、けっしてオランダ(=障害をもった子供をもつということ)の素晴らしさを感じることはない (If you spend your life mourning the fact that you did't get to Italy, you may never be free to enjoy the very special, the very lovely things about Holland.) と説かれていたことは印象的でした。
 障害をもっている子供だからといって諦めるのではなく、「それぞれの子供が特別のニードをもっている (Every child has special need.)」ということを私たちは忘れてはいけないと思いました。そして、障害をもった子供にも未知なる可能性を見い出して、それを開花させてあげなければならないと思いました。
 また、TLCはinteractive disabilityのtreatmentや learningにおいて、Local communityからのsupportも充実しており、地域を挙げて公私ともに積極的な支援活動がなされているということでした。医療の面においても、このような障害者教育の問題においても、全く日本が見習わなければならないことがアメリカでは既に当然のように実施されていることに驚きを禁じ得ません。

(早稲田大学大学院人間科学研究科 かわはらなおと)

次頁、「Asbury Methodist Village訪問記」に続く


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